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2.232017
第146回 浦安皮膚臨床懇話会 2017-02-23
本日は浦安ブライトンホテルで開催された第146回 浦安皮膚臨床懇話会に参加してきました。お目当は「爪白癬に対するレーザー治療」です。
演題 爪白癬の治療と工夫:クレナフィン爪外用液とレーザー治療を中心として
演者 順天堂大学医学部浦安病院 皮膚科 准教授 木村有太子先生
爪白癬(爪水虫)の病型、診断、保険診療、および「順天堂大学医学部浦安病院皮膚科にて試験的に行われたレーザー治療」の順にお話しされていました。
現在、爪白癬の治療は「保険診療」が中心です。従来からあるイトリゾールカプセル(イトラコナゾール)やラミシール錠(テルビナフィン)といった内服療法に加え、最近ではクレナフィン液、ルコナック液による外用療法が加わり、治療選択の幅が広がった分野です。
このように爪白癬は様々な治療を行うことによって、かなりの割合で完治させることができるようになった病気です。しかし持病や服用中の薬剤との関係から内服療法が受けられない方、また外用療法を行っても思うように爪が改善しない方がいらっしゃるのも事実です。そのような患者様への「第3の選択肢」として「レーザー治療による爪白癬治療」があります。
日本では保険診療が充実している関係上、いきなり爪白癬に対してレーザー治療が行われないため、まだまだ一般的に普及している方法ではありません。しかし米国FDA(アメリカ食品医薬品局)から承認を受けたレーザー機器もありますし、木村先生によると世界的には「レーザー治療による爪白癬治療」の論文が1000本弱発表されているそうです。
実は当院でも数名のモニターさんにお願いして、レーザー治療による爪白癬治療をテストしている状況です。改善しているケースもあれば、なかなかうまく反応してくれないケースもあるため、先駆者である木村先生のお話を伺おうと思った次第です。
講演内容、および講演後に個人的に色々と伺うことにより、レーザー治療による爪白癬治療の「病型別有効性・実際の治療経過」、「使用レーザー機器・設定値」、「照射方法」、「予想されている治療メカニズム」、「統計的に見た治療の限界点」、「難治例における次の一手」などを知ることができました。
大変勉強になりました。木村有太子先生ありがとうございました。
これらを参考としながら、当院におけるモニターさんへのレーザー治療による爪白癬治療を継続したいと思います。そして本治療が「患者様から自費治療として費用をいただくに値する治療方法なのかどうか」を検討したいと思います。
当院では新しい治療に対しては、このように相当な準備期間を設けて検討しています。多くの場合1〜2年です。新しい治療方法をすぐに始めることはありません。レーザー治療による爪白癬治療のように「患者様から自費治療として費用をいただくに値する治療方法なのかどうか」を見極めてから、患者様へ告知しスタートしています。
現在でも何本もの新プロジェクトが同時進行で動いており、それぞれ検討している最中です。検討の結果、高い有効性が認められたもののみを、今後も患者様にご案内していきたいと考えております。
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