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6.42017
第116回日本皮膚科学会総会に参加してきました
6月3日(土)はご迷惑をおかけしました。仙台で開催された「日本皮膚科学会総会」に出席するため、通常よりも短めの診療とさせて頂きました。
今年の総会における自分なりのテーマは「普段聞けない話をじっくり聴こう」です。いつもはついついレーザー治療や美容皮膚科関連の講演を聴いたり、企業展示ブースを熱心に見て回ったりしているのですが、今回はひたすら座って、7時間で14人の演者が話す内容をじっくり聴いてきました(さすがに腰が痛くなりましたが・・・)。
■教育講演36
「痒疹:どう考えどう治療するか」
■教育講演45
「食物アレルギー最前線」
■ランチョンセミナー
「アトピーのための洗浄ケア 〜洗浄剤が及ぼす皮膚への影響と洗浄剤処方の基礎知識〜」
■教育講演53
「乾燥・菌叢・紫外線からみたスキンケアの意義」
これらの中でも「食物アレルギー最前線」のうちの「国立成育医療研究センター生体防御系内科部アレルギー科 大矢幸弘先生」のご講演が面白かったですね(以下、講演要旨から転載)。
小児期に生じる湿疹は食物アレルギーが原因で起こるのではなく、湿疹のある皮膚を介して経皮感作が起こるために食物抗原への感作が生ずるという事実が明らかになるにつれ、小児アレルギーの領域には大きなパラダイム転換が起こった。
このような考え方はこれまでもされて来ましたし、当院WEBサイトにも「COLUMN:食物アレルギーの経皮感作仮説」としてご紹介して来ました。
食事除去によりアトピー性皮膚炎や食物アレルギーを予防するのではなく、湿疹の治療により経皮感作を防ぎ、早期に経口摂取を進めることで経口免疫寛容を誘導することが正しい予防策と思われる。
大矢先生はこのように続けられ、ご自身で行った「アトピー性皮膚炎乳児を対象とした鶏卵アレルギー予防研究」の結果からも上記仮説を指示する結果が得られたと解説されていました。
これまでの「湿疹の治療により経皮感作を防ぐ」ことはもちろん重要ですが、これだけでは食物アレルギー対策としては不十分であり、「いかに早く経口摂取を開始し経口免疫寛容を誘導できるか」が食物アレルギー対策として最も重要になってくる可能性があることを示唆していました。
ご講演のタイトル通り、まさに「食物アレルギー予防の最前線」という内容でした。
やっぱり他科(皮膚科以外)の先生のご講演は興味深いですね。来年の皮膚科総会でも、ぜひ企画していただきたいと思いました。
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