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【セミナー】肥厚性瘢痕・ケロイド治療の進歩を実感!



少々前になりますが、10月5日に開催された「千葉県皮膚科医会学術講演会(京成ホテル ミラマーレ)」に参加してきました。

日常診療に大変役立つ内容で、今年参加した中でも最高ランクのセミナーでした。参加して良かったです!

肥厚性瘢痕・ケロイドセミナー2017

■演題 ケロイド・肥厚性瘢痕は完治する! ー発症機序から、柴苓湯・レーザーを含めた最新治療までー
■講師 日本医科大学 形成外科 主任教授 小川 令先生

「昔からそう言われているが、ケロイドの原因は本当に体質なのか? 本当に治せないものなのか?」、小川先生のケロイドに対する挑戦はこんな疑問から始まったのではないか、とセミナーを拝聴して感じました。

日本医科大学形成外科では「ケロイド・肥厚性瘢痕治療外来」を約10年前より立ち上げ、これまでに膨大な数の「ケロイド・肥厚性瘢痕」を治療してきたそうです。そういった臨床経験、および基礎研究からの知見を交えて、ご発表されていました。

ケロイドの「病態」、「3D解析を加えた発生機序の解明」と「それに基づく最適な切開デザイン」、「罹患患者に共通した背景と悪化因子」などからセミナーがスタートしました。最初から最新情報たっぷりです!

その後、「治療」の話となりましたが、「手術による張力の解除(症例提示多数!)」、「放射線療法(小線源治療)」、「テープ固定の重要性」、「ステロイド注射+ステロイドODT療法」、「内服療法」、「外用療法」、「レーザー治療」などと、どんどんスライドが進んでいきます。

これだけ多数の症例でケロイドが改善している経過を実際に見ることができると、「ケロイド・肥厚性瘢痕は完治する!」という今回の演題にも納得できるようになってきました。

治療の中で皮膚科医にとって最も衝撃だったのが、日本医科大学形成外科「ケロイド・肥厚性瘢痕治療外来」の約9割の症例において、「ステロイド注射+ステロイドODT療法」だけで治療がほぼ完結しているという実績でした。特に「ステロイドODT療法」の効果の高さを小川先生は強調されてました。これならば一般的な皮膚科クリニックでも十分対応可能な治療方法です。

そして「ステロイド注射+ステロイドODT療法」の注意点に関しても詳細にご説明いただけたので、早速日常診療に取り入れていきたいと思います。

今回のセミナーは、まさに「目から鱗が落ちる」というものでした。小川先生どうもありがとうございました!



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