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12.52017
【院内勉強会】オテズラ錠による頭皮・爪・掻痒の改善
本日は昼休みの時間を利用して、セルジーン(株)さんによる「オテズラ錠 院内勉強会Vol.2」を開催しました。
オテズラ錠は2017年3月に「尋常性乾癬・関節症性乾癬」に対する薬剤として発売され、すでに9ヶ月が経過しました。発売の際に「院内勉強会Vol.1」を開催しましたので、今回で2回目となります。
本日の勉強会はオテズラ錠による「尋常性乾癬における頭皮病変、爪病変の改善、及び掻痒感(かゆみ)の改善」にフォーカスした内容で、論文により報告されたデータを中心に解説していただきました。
オテズラ錠は当院でも数多くの患者様に内服していただいている薬剤です。私自身の臨床経験においても前述の効果は十分認められており、妥当性のあるデータだと思いました。
尋常性乾癬の頭皮病変は、重症となると「牡蠣殻状に鱗屑が分厚く付着する」ことがあります。こうなると外用剤の浸透性が悪化し表皮細胞に薬剤が届きにくくなるため、Strongestクラスのステロイドローションでも効きが悪くなってきます。次の一手としては、軟膏やクリームを外用していただくことになります。確かに軟膏・クリームは効きますが、「頭皮に塗る大変さ」や「塗った後のべとつき感」を考えると、できれば避けたい治療方法です。
このような「重症の頭皮病変を有する尋常性乾癬」の患者様は、オテズラ錠の出現により状況が一変しましたね。オテズラ錠は内服薬ですから、尋常性乾癬を内側から治していきます。薬剤の浸透性によって効果が左右される外用剤と違い、効果が安定しています。
オテズラ錠内服しつつも、ステロイドローション剤を併用するケースは多々ありますが、内服薬による症状軽減に伴い「ステロイドローション剤のランクを下げることができる(=弱い外用剤に変更できる)」というメリットも実感しています。
尋常性乾癬の爪病変は、頭皮病変と並んで治療が難しい部位です。当院では爪病変のタイプによってステロイド外用剤と光線療法(エキシマライト)を使い分けています。
オテズラ錠の内服を開始した患者様に関しては、爪病変については内服薬の効果に期待し、現在のところ他の併用療法は行なっておりません。それでも多くのケースにおいて爪病変の改善が認められております。難治性爪病変の患者様については、今後併用療法も必要となって来るかと思われますが、軽症〜中等症の爪病変に関してはオテズラ錠内服のみで十分ではないかと思われます。
尋常性乾癬における掻痒感(かゆみ)は必ず出る症状ではありませんが、出てくる患者様にとっては治療に大きく影響を及ぼす要因となっています。そもそも尋常性乾癬には「ケブネル現象」といって、「正常な皮膚面を圧迫・掻爬(掻く行為)することによって乾癬病変が誘発される」という特徴があります。 よって掻痒感が強い場合は、ケブネル現象も手伝って「掻痒感あり→掻爬→乾癬の悪化」という悪循環に陥ってしまうのです。
オテズラ錠の「掻痒感の改善効果」は、「掻痒感の減少→掻爬行為の減少→乾癬の改善」という好循環をもたらしてくれる可能性を示唆しています。
尋常性乾癬をお持ちの患者様でオテズラ錠を希望される場合は、まず一度ご来院ください。診察の上、病状や治療について説明させていただきます。
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