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大型の紫外線治療器ダブリン7を導入しました



皮膚科では様々な疾患に対し光線療法を行うため、当院では光線治療室を設けています。

ダブリン7(紫外線治療器)を導入-1

本治療は光線の種類によって保険上、下記のごとく3種類に分類されています(費用は現時点での保険診療に基づいた表記)。

■赤外線または紫外線療法 450円

■長波紫外線または中波紫外線療法 1500円
(長波紫外線とはUVAを、中波紫外線とは概ね290nm以上315nm以下のUVBを指します)

■中波紫外線療法(UVBの中でも308nm以上313nm以下に限定したもの) 3400円

当院ではこれまで「エキシライトマイクロ」というターゲット型紫外線照射器(写真下)を使用してきました。この機器は「308nmを選択的に照射可能」、「従来の機器よりも強い光線を照射できるため、治療時間が短い」という優れた特徴がありますが、「最大でも1回の照射で5x6cmm」までしか照射することができません。つまり小範囲の病変には非常に適しているのですが、広範囲の病変をエキシライトマイクロで治療するのはなかなか難しいところがありました。

ダブリン7(紫外線治療器)を導入-2

「尋常性乾癬やアトピー性皮膚炎の患者様の中で、特に病変が広範囲に渡っている方には、光線療法を追加してより治療効果を高めたい」とは常々考えていましたが、当院の設置スペースに合う機器に巡り合わず採用するに至りませんでした。

そんな中、複数の先生から今年に入って「三面鏡型の紫外線治療器でダブリン7というのがあって使ってるんだけど、これいいよ」というコメントをいただき、当院での購入に関し検討を始めました。

ダブリン7は「非常に幅の狭い範囲(ナローバンド)の波長域311nm」を照射することが可能なため、「ナローバンドUVB」と呼ばれています。エキシライトマイクロもダブリン7も「UVBの中から有害な波長を取り除き、治療効果が高く、副作用の少ない安全な光線療法」を行うことが可能な機器であることは共通しています。

ダブリン7は当院の光線治療室に設置できるコンパクトサイズ(縦置き型)ですし、何より広範囲を一気に治療できる点が魅力です。高さも192cmあるため、普通の方ならば顔面〜足までを一気に治療できます。前面・後面と2回照射すれば、全身の治療も可能です。

というわけで、採用! 

本日、無事納品されました(あまりにも機器が大きいため、天井近くから撮影しました)。

ダブリン7(紫外線治療器)を導入-3

光線治療は尋常性乾癬、類乾癬、アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、尋常性白斑などに対し大変有効です。当院では広範囲病変にはダブリン7、小範囲病変にはエキシライトマイクロを活用していきたいと思います。



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