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5.82017
オテズラ錠の効果・注意事項・副作用・費用
前回記事「オテズラ錠 院内勉強会」に引き続き、乾癬に対する25年ぶりの経口剤新薬として登場したオテズラ錠に関する情報です。
オテズラ錠は2014年3月にアメリカで初めて承認され、その後世界37カ国で承認されている薬剤です。日本では2017年3月より販売が開始されています。
オテズラ錠は「難治性尋常性乾癬」および「関節症性乾癬」に対して健康保険が適応される薬であることは前回お伝えしましたね。それらの疾患において、「どのような効果が期待できるのか」を具体的に説明しましょう!
・皮膚の赤みやかゆみ、鱗屑(りんせつ:銀白色のふけのようなもの)などの皮膚症状の長期的な改善
・かゆみを抑えることによるQOL(生活の質)の改善を早める効果
・人目に留まりやすい「爪」や「頭皮」の症状改善
・「関節の痛みや変形」などの関節症状の改善
・皮膚や関節の症状に伴う生活の質や体の不自由さの改善(QOLの改善)
私自身が最も注目している効果は「爪や頭皮の症状改善」です。この部位の症状はとにかく難治性で、症状改善のためには紫外線照射療法や強力な内服治療薬を必要とする場合が多々あるからです。
「爪や頭皮の症状」に対して高い有効性が発揮されれば、オテズラ錠は乾癬患者様に大変喜ばれる薬剤になると思われます。
次はオテズラ錠内服における注意事項です。
・妊娠可能な女性は服用時に避妊が必要です
・妊娠中、授乳中の方は服用できません
・重い腎障害がある方は当薬剤の減量が必要です
・重症感染症にかかっている方は服用できません
・重いうつ病の方は注意が必要です
・高齢者の方(65才以上)は注意が必要です
次は副作用について解説します。
オテズラ錠の副作用に重大なものはありませんが、念のため知っておいて頂きたいものは「悪心(吐き気)」、「下痢(軟便程度)」、「頭痛」です。
もちろんこれらは全ての方に出る訳ではありませんし、次に紹介する「スターターパック(写真下)」を活用することにより副作用の発現を減らすことができます。
オテズラ錠スターターパックとはその名の通り「内服開始直後の薬がまとまってパッケージとなっているもの」です。具体的には「内服開始直後2週間分」がまとめられており、以下のように「少しずつオテズラ錠の量を増やしていく(漸増法)」ことを目的としています。
1日目 10mg
2日目 20mg
3日目 30mg
4日目 40mg
5日目 50mg
6〜14日目 60mg
「体内に入れるオテズラ錠の量を少しずつ増やしていく」ことで、飲み始めの頃(内服開始から1週間以内が多いそうです)に起こりやすいとされる「悪心(吐き気)」、「下痢(軟便程度)」、「頭痛」などの副作用の発現を抑えることができます。
15日目以降は維持期となり、ずっと1日60mgを継続して頂きます。
最後に費用のご案内です。健康保険が適応となりますが、新薬ということもありやや高めの価格設定となっています。
■スターターパック(14日分)
・薬剤価格 22,410円
・3割負担 約6,700円
・1割負担 約2,200円
■維持期 1日60mg x 14日分
・薬剤価格 27,300円
・3割負担 約8,200円
・1割負担 約2,700円
また、新薬に関しては厚生労働省から「2週間を上限とした処方制限」がかけられるため、維持期に入った患者様への処方も発売から1年間は2週間分となります。
オテズラ錠の適応となる乾癬患者様には積極的にご案内したいと考えています。
乾癬でお悩みの患者様はぜひ一度当院にお越しください。
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