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静脈湖はロングパルスYAGレーザーで治す!



本日は「静脈湖(じょうみゃくこ)」、英語名では「Venous lake」という病気の治療方法について解説します。

静脈湖は老人性血管腫の一種とされています。老人性血管腫とは「皮膚の老化に伴って自然と出てくる血管の塊」で、見た目は「直径5mmくらいまでの真っ赤なドーム状の盛り上がり」です。手のひら、足の裏以外であれば、どこの皮膚にも出てきます。盛り上がりの中身は「異常に増殖した多数の血管」であり、それを反映して見た目が真っ赤となっています。

静脈湖も老人性血管腫と同様に「異常に増殖した多数の血管」で構成されていますが、老人性血管腫と比べて「より皮膚の深い部分に発症すること」、および「より血管の拡張具合が顕著であること」より、「紫色をした大型(直径10mmm程度まで)でドーム状の盛り上がり」という症状を呈します。

治療方法は手術(切除&縫縮)、電気焼灼法、炭酸ガスレーザーによる蒸散療法などがありますが、当院における静脈湖の治療では専ら「ロングパルスYAGレーザー」を用いています。理由としては、「治療後、表面的に大きな傷を作ることがないため、患者様への負担がとても少ないため」です。

ロングパルスYAGレーザーは脱毛治療で有名な波長ですが、赤血球中に含まれる酸化ヘモグロビンに吸収される波長でもあるため、血管系病変の治療にも大変有用です。老人性血管腫にもこのレーザーを用いますが、静脈湖はより深く、より血管径が太いため、それらの条件に合うようパラメーターを調整して照射します。

以下がBefore-Afterの臨床写真です。治療後の写真は「1回治療を行い、1ヶ月経過した時点のもの」です。とても綺麗に治っています。現時点までの当院における治療成績ですが、全員が1回の治療で完結しています。

静脈湖のYAGレーザー治療-1

静脈湖のYAGレーザー治療-2

【医療レーザー機器によるの静脈湖治療】
■治療内容:注射による麻酔を行なった後に、医療レーザー機器(ロングパルスYAGレーザー)を病変部に照射し、内部の血管に熱ダメージを与えます。。2〜4週間ほど抗生物質含有軟膏を塗布し、再生を促します。
■施術費用:病変1カ所につき9,000円(税別)。施術費用の他に、別途再診料1,000円(税別)がかかります。
■リスク&副作用:治療部位に軽度のかさぶたを生じる可能性がありますが、経過とともに回復します。

手術(切除&縫縮)や炭酸ガスレーザーによる蒸散療法でも治療は可能なため問題はありませんが、ロングパルスYAGレーザーの「表面的に大きな傷を作らず、中の血管だけを消し去る」という治療プロセスが非常にスマートであり、私自身は大変気に入っています。

静脈湖でお悩みの方は、ぜひ一度ご来院ください。診察の上、ロングパルスYAGレーザー治療について説明させていただきます。



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