アナウンスBlog
2.152019
1歳を過ぎてても先天性ホクロの冷凍療法は可能?
患者様よりお問い合わせを頂きました。
ホームページの「先天性のホクロには液体窒素による冷凍療法が有効!」という記事を拝見いたしました。
現在1歳5ヶ月になる息子の鼻の下に3ミリほどの生まれつきのほくろがあります。一年ほど前から、住んでいる埼玉県内の大学病院から個人病院まで色々な病院を回りましたが、どこも全身麻酔になるとの見解で断念しておりました。
もう1歳を超えているので、記事にありました液体窒素による冷凍療法は無理でしょうか。
お忙しいところ申し訳ありませんが、ご回答のほどよろしくお願いいたします。
当院からの返信です。
〇〇様
お問い合わせありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。ご質問の「先天性ホクロの冷凍療法における開始時期」について回答いたします。
結論から申し上げますと、1歳5ヶ月のご子息様の治療は可能です。直径3mmという小型であることも好条件です。ただしより早い時期から開始した場合に比べ、色調の改善度合いがやや落ちる可能性はあります。
私が「先天性ホクロの冷凍療法は1歳未満にスタートしましょう」とお伝えしているのは、「乳児の皮膚は薄く、先天性ホクロの厚みが少ない」、「乳児の皮膚の再生力が高い」ためです。そのため「首が座って通院ができるようになったら、なるべく早く来院してほしい」という思いで「1歳未満」と表現しています。
しかしながら、1歳を超えたら治療ができないわけではありません。ご覧いただいた当院アナウンスBlogの患者様は「1歳までに2回、1歳以降に2回」の合計4回治療しています。その他の患者様も同様です。治療間隔が3ヶ月に1回なので、1歳未満といっても相当早い時期からのスタートでない限り、後半の治療は1歳以降となります。
治療効果に影響がある要素としては、「治療開始時期」の他に「先天性ホクロの大きさと色調」があります。
小型のものほど「ホクロの細胞の皮膚内分布」が浅く、大型のものほど深い傾向にあります。
また「淡い茶色」のものは「ホクロの皮膚内密度」が低く、「濃い黒色」のものほど高い傾向にあります。従いまして、ご子息様の場合は1歳を超えているものの小型でありますし、さらに茶色を呈していればより治療効果が期待できると思われます。
回答は以上となります。
ご検討ください。どうぞよろしくお願いします。
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