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10.82019
吹き出物後に生じた陥没した痕は治療できますか?
患者様よりお問い合わせを頂きました。
10年程前に顔の鼻に何ヶ所か吹き出物ができ、そのあとが残り、陥没した状態が数か所あります。とても目立つので気になり、時間とともに目立たなくなるかと思いましたが、治りませんでした。
最近、他の皮膚科を受診した際は、「病気ではないので治療法がなく、できることは何もない」と言われました。
このような場合でも、目立たなくなるようにできる治療があればと、医院を探しています。年齢は45歳です。
可能性があるならば受診したく、お考えを聞かせていただけますでしょうか。宜しくお願い申し上げます。
当院からの返信です。
〇〇様
お問い合わせありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。ご質問の「吹き出物後に生じた陥没した痕」について回答いたします。
病状としては「陥凹性瘢痕」という状態で、「アイスピックで刺したかのごとく鋭く深い凹み」から「クレーター状の広くなだらかな凹み」まで様々な症状を呈します。陥凹性瘢痕は真皮の深い部分に障害が起こった結果、その部位が変性し発症してしまいます。一般的には「激しい炎症を生じたニキビやオデキ」の後に現れます。
陥凹性瘢痕の治療は難しく、以前は手段がありませんでしたが、フラクショナルレーザーが開発され状況は一変しました。当院でも2011年からフラクショナルレーザー治療に取り組んでいます。
それまでのレーザーは「面」での照射しかできませんでした。フラクショナルレーザーは細かいドット状のレーザー光線を作り出すことができる技術で、それを用いて陥凹性瘢痕に無数の穴を人工的に開けます。穴が開いた部分には皮膚を再生させる力が働くため、結果として真皮環境が改善し、陥凹性瘢痕が目立ちにくくなります。これがフラクショナルレーザー治療のメカニズムです。
陥凹性瘢痕の治療は現在でも難しいことは変わりませんが、そのような状況の中で選べるベストの治療がフラクショナルレーザー治療だと考えています。
ご都合のよろしい時に、一度ご来院いただければ幸いです。
実際に診察した上で、詳細について説明させていただきます。ご検討下さい。
どうぞ宜しくお願いします。
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