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黄色腫のレーザー治療 術後の傷痕、引きつれは?



患者様よりお問い合わせを頂きました。

左目に出来た眼瞼黄色腫について。

ずっと気になってはいたのですが、目元の手術…と考えると傷痕や皮膚の引きつれ等の懸念があり、6〜7年放置していました。

実際のところ術後の経過や手術痕は残ったりはしないでしょうか? また、完治までにはどのくらいの期間を要するかも気になります。

ご回答のほど、よろしくお願いいたします。

当院からの返信です。

〇〇様

お問い合わせありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。

ご質問の「眼瞼黄色腫の治療」について回答いたします。

黄色腫とは皮膚真皮層に脂質を大量に含んだ「泡沫細胞(ほうまつさいぼう)」が集まり塊状となった結果、皮膚が軽度隆起し、表面が黄色調に変化する疾患です。体の様々な部位に発症しますが、眼瞼に出現したものを眼瞼黄色腫と呼んでいます。上・下眼瞼のどちらにも生じますが、上眼瞼の内側(目頭側)が好発部位となっています。

通常、泡沫細胞は真皮の広範囲に分布しています。そのため治療方法としては「病変部位の真皮全層を除去する」こととなり、一般的には「手術」、もしくは「レーザー治療」が選択されます。

ご心配の治療に伴う「皮膚の引きつれ」や「傷痕」についてです。「皮膚の引きつれ」に関しては、眼瞼という比較的皮膚に余裕のある部位であることから、ほとんど問題とはならないと考えます(相当巨大な病変を一括で処置しようとすると、無理が生じ術後ひきつれる可能性はあるため、その場合は分割治療の検討が必要です)。

「傷痕」については医療者側と患者様側で食い違いが生じやすい部分です。この点について敏感な患者様の場合は、対面にて図や写真を用いての説明を受け、ご理解、ご納得していただく必要があります。

手術、レーザー治療のいずれであっても、「病変部位の真皮全層を除去する」という治療を行った場合、傷痕が全く残らないということはあり得ません。手術であれば線状瘢痕が、レーザー治療であれば円形瘢痕が残ります。ただし、それらは月日と共に正常皮膚色となり、目立ちにくい状態となります。そのような術後の状態を写真などを見てイメージしていただき、「未治療の状態と治療後の状態を比較し、天秤にかけて、どちらのメリットが大きいか」についてご判断いただく必要があります。

「完治の定義」も食い違いが生じやすいところです。医療者側としては「手術なら抜糸まで(術後1週間ほど)」、「レーザー治療なら再上皮化まで(術後2週間ほど)」と考えますが、赤みがなくなり正常皮膚色までと考えると数ヶ月後となります。

現在、眼瞼黄色腫に関しては、当院での治療選択は「レーザー治療のみ」となっております。手術をご希望の場合は、形成外科へのご紹介となります。

メールでの解説には限界がありますので、より詳細な説明をご希望の場合は、一度ご来院いただけましたら幸いです。

回答は以上となります。
ご検討ください。

どうぞ宜しくお願いします。



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