アナウンスBlog
3.192023
肌色で分かりにくい稗粒腫も治療できますか?
患者様よりお問い合わせを頂きました。
私の稗粒腫はほくろやニキビと違い色が肌色のため(触るとブツブツなのはわかりますが)、自分でも全ての位置をピンポイントで全部把握していません。
スマホで額の写真を撮るとかなり凹凸が目立つので、お役に立つかわかりませんが、診察時は当日か前日に撮ったものを持っていこうかと思っています。
蛍光灯の下で鏡を上下左右に動かしながら確認すると、想像ですが凹凸の影ができるからか、「ここにもある、あっ、ここにも」とわかるのですが、光の強さや角度によって見えたり見えなかったりします。診察時に正面に向かい合ったままだけで診てもらうと、過去に診察してもらった際「どこですか?ここら辺?あとは?えー、特に目立ちませんね」と言うような感じでした。自費でのレーザー治療の時は、手鏡を渡され自分でマーキングしました。
【もし松島先生に「先生が額周辺で稗粒腫だと思うところを全部取って頂けますか?」とお願いした場合、とても面倒なお願いですが探しながらできる限り除去して頂けますか?】
もちろん私自身も確実にわかるところは「ここをお願いします。」とお伝えしますが、照明の位置や、他の患者さんをお待たせしないようにと焦ってしまい自力では見逃してしまい、帰宅後に鏡を見て「ここにもあった…」と後悔するのが一番怖いです。
皮膚治療のプロである先生にこのような質問は大変無礼だと承知しておりますが、いつも皮膚科でもなかなか稗粒腫の位置を見つけて貰えないため、疑心暗鬼になっているのだと思います。本当に申し訳ありません。
当院からの返信です。
〇〇様
お問い合わせありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。お問い合わせの「肌色で分かりにくい稗粒腫に対する治療の可否」について回答します。
典型的な稗粒腫は「直径2mm以下の大きさで、白色調を呈し、半ドーム状に隆起した病変」と分かりやすいのですが、実はそうでないケースも多々あります。
典型的な症状を呈さない最も大きな理由は「病変の深さ」によるものです。
稗粒腫の内容物が同じサイズであったとしても、真皮内の浅い部分に存在すれば典型なケースとなりますし、深い部分に生じれば「発見も治療も簡単にはいかない難しいケース」となります。
稗粒腫の本体が深い場合、はっきりと白色調にもならず肌色ですし、隆起も穏やかとなります。つまり、パッと見でわかる典型的な稗粒腫とは異なり、「丁寧な触診」や「様々な角度からの視診」によってようやく発見できます。○○様の場合は、文章を拝読した限りでは、このタイプと考えられます。
治療についても同様です。典型的な稗粒腫では「浅目の切開+軽めのピンセット圧出」で内容物を取り出せますが、稗粒腫の本体が深い場合は「大胆な深めの切開+強力な圧出」によって初めて病変本体を押し出すことができます。手技に慣れていない医師の場合、自信を持ってそこまで深くは切開できないかもしれません。「他院では深いので取れないと言われたが、ここでは取ってもらえて嬉しい」というお言葉は時々頂戴します。
話をまとめますと、私自身もかなり注意深く稗粒腫を発見する眼を持っているとは思いますが、後悔されないよう「見逃されやすそうだと心配な部分」に関しては、○○様からも助言を頂ければ幸いです。
なお、1回の受診で取れる稗粒腫の上限ですが、過去記事にも記載した通り、20ヶ所くらいまでとさせていただいております。そのくらいの数まででしたら、いつも探しながら処置を繰り返していますので、ご心配されている点はクリアできると思います。
ご都合がつきましたら、是非ご来院ください。
お待ちしております。なお、今後の来院・受付に関する事務的なご質問は、下記までお電話にてお問い合わせください。
Tel:043-423-3552どうぞ宜しくお願いします。
アナウンス Blogカテゴリー
アナウンス Blog
- 大陰唇の被角血管腫へのレーザー治療に関するご質問2024年12月1日
- 日本レーザー医学会総会で学会発表してきました2024年11月17日
- アトピー性皮膚炎へのデュピルマブ適否と他の対策について2024年11月3日
- レーザー治療後の炎症後色素沈着は一生治りませんか?2024年10月27日
- 先天性ホクロと異所性蒙古斑の治療を同日に受けられますか?2024年10月13日