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頭部の老人性イボに対する蒸散治療はEr:YAG?、CO2?



患者様よりお問い合わせを頂きました。

老人性いぼをエルビウムヤグレーザーでとるのは、顔以外の髪が生えている頭の地肌でもできますか?

当院からの返信です。

〇〇様

お問い合わせありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。

ご質問の「頭部の老人性イボに対する蒸散治療」について回答いたします。

結論から申し上げますと、頭部の老人性イボの治療にはエルビウムYAGレーザー(Er:YAG)ではなく、炭酸ガスレーザー(CO2)が向いています。

以下、その理由について説明いたします。

Er:YAG、CO2共に水分に反応するレーザーであり、皮膚は水分含有量が多いため、それらのレーザー光線が皮膚に当たると皮膚組織が蒸発します。その原理を利用し、これらのレーザー光線を用いてイボや皮膚良性腫瘍を蒸散治療しています。

Er:YAGとCO2での治療上の差は「水分への吸収率の差」によってもたらされます。Er:YAGはCO2に比べて約10倍ほど吸収率が高いため、「より鋭く皮膚組織を蒸散(=削る)」ことが可能です。「鋭く削る」を別の言葉で言い表すと「周囲組織への余分な熱ダメージが少ない」となります。

当院採用のCO2機器(シネロンキャンデラ社CO2RE)はスーパーパルスCO2といって「一般的なCO2に比べると周囲組織への余分な熱ダメージが少ない機種」にはなりますが、Er:YAGには敵いません。

このように「余分な熱ダメージが少ないEr:YAG」は術者のイメージ通り削れるため、顔面の老人性イボ治療のように精密さを要求される治療に向いています。

ただし、「周囲組織への余分な熱ダメージ」は悪いことばかりではなく、「止血作用が強い」というプラスの側面も有しています。頭部皮膚は血行が良く、手術・レーザー治療において止血が難しいエリアとなるため、同部位の治療においてはEr:YAGよりもCO2の方が総合的に優れていると評価しています。

以上の点より、ご自身のケースにおきましてはCO2による治療をお勧めします。

回答は以上となります。
ご検討ください。

なお、今後の来院・受付に関する事務的なご質問は、下記までお電話にてお問い合わせください。
Tel:043-423-3552

どうぞ宜しくお願いします。



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