アナウンスBlog

【レーザー脱毛の副作用】多数のご質問に回答しました①



患者様よりお問い合わせを頂きました。

レーザーのタンパク質変性についてお聞きしたいのですが、硬毛化説明のないクリニックで医療脱毛を1度照射しました。
1度で硬毛化し(産毛に照射したため)、その後説明のないクリニックに対する不信感からすぐに解約しました。


1年放置しだいぶ硬毛化が落ち着いてきたのですが、「硬毛化は毛周期が落ち着けば改善する場合がある」とネットで見て安心できましたが、濃い毛は脱毛を考えているのでタンパク質の変性が気になりました。


照射中痛みがあったので右腕は全て照射しましたが左腕の内側は照射しませんでした。タンパク質変性が気になったのは1年たち腕の皮膚感をみると内側まで照射した右腕が何となく引き締まってる気がします。
(ですが利き腕なので、左腕より筋肉量が多いからかもしれません)


レーザーを調べられている科学者の方のHPで拝見したのですが、一般的な医療脱毛は肌に影響を与えると聞き、「毛乳頭だけに照射できないので、皮膚がタンパク質変性で硬くなる場合がある」と書いてあり、照射が血液にも反応すると聞き身体に悪くないのかと怖くなりました。


日焼けよりレーザーは強い刺激で血液にまで影響があると書いてあり、それも不安になりました。大丈夫なんでしょうか。。


細胞レベルの事は誰にもわからないとは思いますが、専門的知識豊富な先生宜しくお願い致します。


一度の照射(二の腕など産毛部分)に照射した場合タンパク質は変性するのでしょうか?


産毛はメラニンが少ないという事で毛乳頭まで照射熱が届かないのなら変性は起きないのか、それとも肌表面の皮膚の熱が上がる事で変性するのか、変性しても重度の火傷をしない限り分解されるのかも教えて頂きたいです。



知識がなく安易に脱毛を受けた事、後悔しています。



宜しくお願い致しますm(__)m

当院からの返信です。

〇〇様

お問い合わせ頂きありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。

お問い合わせありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。

ご質問の「医療レーザー脱毛における蛋白質変性」について回答いたします。

結論から申し上げますと、「1回のみ受けられた医療レーザー脱毛によって生じた蛋白質変性」で大きな健康被害を引き起こす心配はほぼないかと思われます。

医療レーザー脱毛のみならず、アンチエイジング系治療ほ多くは「人工的な蛋白質変性」によって治療効果を引き出しています。

医療レーザー脱毛は毛に含まれるメラニン色素に反応する波長のレーザー光線を照射し、レーザーの光エネルギーを熱エネルギーに変換し、発生した熱エネルギーで毛包(毛を包む組織で、毛の新生、成長、退行を司っている)を蛋白質変性させ、ムダ毛が再生してこないようにしてくる治療方法です。

医療レーザー脱毛以上に歴史の長い電気針脱毛でも同様に、蛋白質変性によって治療していますが、正しく施術すれば大きな副作用が出ないことは広く認知されています。

アンチエイジング系治療でいうと「フラクショナル系治療(アブレイティブ、ノンアブレイティブ共に)」、「ラジオ波(RF)系治療(モノポーラ、バイポーラ、トライポーラ、ニードルなど)」、「HIFU(高密度焦点式超音波)」などはすべて皮膚を加熱し、蛋白質変性を意図的に生じさせ、治療効果に繋げています。

このように脱毛・アンチエイジングの進歩とは「安全で効果的な蛋白質変性を目指してきた歴史」でもあります。

以上をご理解いただいた上で、個別のご質問にお答えします。

Q.1 一度の照射(二の腕など産毛部分)に照射した場合タンパク質は変性するのでしょうか?
A.1 レーザー光線が毛に含まれるメラニン色素に反応した結果、高温が発生すれば蛋白質変性は誘導されます。その熱量が毛包・毛乳頭を破壊するに十分であれば脱毛効果が発揮されますし、そうでなければ脱毛されません。

Q.2 産毛はメラニンが少ないという事で毛乳頭まで照射熱が届かないのなら変性は起きないのでしょうか?
A.2 A.1と重複する部分がありますが、発生する熱量によって蛋白質変性するかどうかが決まります。メラニンが少ないと熱量も小さくなるため、蛋白質変性も起こりにくくなります。

Q.3 肌表面の皮膚の熱が上がる事で変性するのでしょうか?
A.3 医療レーザー脱毛で狙っている蛋白質変性はすべて真皮内です。表皮部分に熱が及ぶと熱傷(=副作用)となります。従いまして、レーザー脱毛機器にはコンタクトクーリング、ガスクーリング、もしくはエアクーリングが表皮を保護するようになっています。

Q.4 変性しても重度の火傷をしない限り分解されるのでしょうか?
A.4 適切な範囲に限定された「熱による蛋白質変性」は、皮膚の創傷治癒過程において分解・除去され、真皮の新生を促します。シワ・たるみ治療ではこの「真皮の新生(皮下脂肪組織を含む場合もあり)」によって治療効果を発揮しています。

回答は以上となります。

ご理解いただけましたら幸いです。

どうぞ宜しくお願いします。



関連記事


ページ上部へ戻る