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薄茶色の色素斑の診察、治療は可能ですか?



患者様よりお問い合わせを頂きました。

初めまして。
2024年6月4日生まれの次男についてご相談です。

出生時より、右こめかみ付近に、15mm×15mm程度の薄茶のシミがあります。
今のところ扁平で膨隆はなく、一部中心付近の色調はやや黒色にも見えます。

これまでに二度、東千葉メディカルセンターの形成外科を受診し、以下のように言われました。
・ホクロか扁平母斑だと思うが、もう少し経過をみないとどちらか確定はできない。
・年齢のことも考慮して、治療はまだ先で良いのでは。

確定診断もついていない状況ですが、「なるべく早い治療の方が効果が出やすい」と聞きますし、親としてはより専門的な医療機関を受診すべきなのではと考えております。

貴院での診察可否や治療法等につきましてご教示頂けますと幸いです。
よろしくお願い申し上げます。

当院からの返信です。

〇〇様

お問い合わせありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。

ご質問の「薄茶色の色素斑への治療」について回答いたします。

以下の文章において母斑(ぼはん)とは「あざ」のことを指しています。

頂いた文章を拝読する限り、視診による診断を難しくしている要因は「中心付近の黒色部分」と考えられます。

日本における扁平母斑とは均一な薄茶色をした色素斑です(カフェオレ斑とも呼ばれます)。均一な薄茶色の色素斑の中に「点状で濃い色調の小型色素性母斑(=ホクロ)」がポツポツと合併することがあり、このような母斑を「点状集簇性母斑」と呼んでいます。

「中心部分の黒色部分」を単なる扁平母斑の色調の濃淡と捉えるか、軽度の点状集簇性母斑と捉えるかで治療方法が変わってきます。

治療方法の第一選択肢で考えると、扁平母斑であればレーザー治療、点状集簇性母斑であれば手術となります。レーザー治療であれば早い治療開始が望まれますが、手術となると「1歳過ぎてから全身麻酔併用」という方針の先生が多いと思われます。

ちなみに当院ではレーザー治療の対応は可能ですが、手術対応ができないため、手術が必要と判断した場合は形成外科の先生にお願いすることになるかと存じます。

なお念のため申し添えいたしますが、扁平母斑へのレーザー治療の有効性はあまり高くないため、テスト照射などで反応性が思わしくなければ、最終的に手術を選択されるケースもあります。

本来、視診にて確定診断が得られないケースは、局所麻酔下にて皮膚組織を一部採取し病理組織検査を行って診断します。しかしながら患児様のご年齢(月齢)を考慮すると、こういった病理検査も非常に難しいため、視診にてどちらの可能性が高いかを検討していくことになるかと存じます。

ご質問に沿ってお答えしますと、「当院での診察は可能」、「治療に関しては対応可能な場合もあります」となります。

回答は以上となります。
ご検討ください。

なお、今後の来院・受付に関する事務的なご質問は、下記までお電話にてお問い合わせください。
Tel:043-423-3552

どうぞ宜しくお願いします。



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