患者様よりお問い合わせを頂きました。

胴体全体が色素沈着していて、体の中で腕が一番白い状態なのですが、レーザー治療はしていただけないのでしょうか。

当院からの返信です。

〇〇様

お問い合わせ頂きありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。

ご質問の「体幹部分全体の色素沈着に対するレーザー治療」について回答いたします。

頂いたご質問文中に、色素沈着が先天的なものなのか、もしくは何らかの後天的に罹患した疾患の結果生じた色素沈着なのかの情報がありませんでした。ニュアンス的には先天的な色素異常と考えられたため、それに対するレーザー治療ということで回答いたします。

先天的な色素異常は通常「母斑（ぼはん）」と称され、いわゆる「アザ」となります。皮膚は表皮、真皮、脂肪の３層構造となっており、表皮に色素が増強した場合を「扁平母斑」、真皮にそれが生じると「太田母斑」や「異所性蒙古斑」と呼ばれます。

それぞれの母斑に対するレーザー治療の有効率は、私見となりますが、扁平母斑が30〜50%、太田母斑・異所性蒙古斑が90%以上となり、表皮の色素異常へのレーザー治療は安定性に欠けるものの、真皮の色素異常に対するそれは安定的に好成績を維持します。

ご自身の「胴全体の色素沈着」に対して的確な病名をつけることは難しいのですが、以前同様の患者様をお一人ではありますが担当させていただいたことがあり、表皮内の色素増強と考えられる症状でした。ご希望があり体幹部分全体にQスイッチレーザー治療を行い、過剰な色素沈着の改善を試みましたが、均一に表皮内の色素を減らすことは大変難しい印象でした（＝不均一に減少するため斑らとなる）。

まだ診察をしていないため確かなことは申し上げにくいのですが、ご自身の症状は一般的なレーザー治療の対象となる可能性は低く、高いリスクをご了承いただいた上で治療を受けて頂くことになるかと存じます。

診察のご希望がございましたら、一度ご来院ください。

回答は以上となります。
ご検討ください。

なお、今後の来院・受付に関する事務的なご質問は、下記までお電話にてお問い合わせください。
Tel:043-423-3552

どうぞ宜しくお願いします。