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院内vs院外の格差6.6倍 院内処方はやっぱり激安!



厚生労働省のホームページ(平成29年3月29日(水) 中央社会保険医療協議会 総会(第348回)資料)に院内調剤と院外調剤の保険点数の差に関する資料が公開されました。

院内調剤と院外調剤の差(厚労省資料より)

これは「解熱鎮痛剤・抗生剤7日分処方の例」として以下のような比較データを示しているものです。
(保険診療は1点を10円と換算しますので、イメージしやすいように円で表示します。患者様の窓口負担に関しては、年齢等に応じて1〜3割となります)

■院内調剤(外来) 270円
・調剤技術基本料 80円
・調剤料 90円
・薬剤情報提供料 100円

■院外調剤薬局 1,050円〜1,100円
・調剤基本料 200〜250円
・調剤料 350円
・薬剤服用歴管理指導料 500円

■かかりつけ薬剤師・薬局での院外調剤 1,780円
・基準調剤加算 320円
・調剤基本料 410円
・調剤料 350円
・かかりつけ薬剤師指導料 700円

今回の比較では院内調剤に比べ院外調剤薬局では3.9〜4.1倍、かかりつけ薬剤師・薬局での院外調剤では6.6倍の費用が患者様の負担となります。同じ薬剤を処方されるのに、薬をもらう場所が違うだけで3.9〜6.6倍もの費用がかかるってすごいことじゃないですか? しかしこれは事実であります。

ちなみに当院は「調剤技術基本料 80円」を加算しない医療機関のため、「190円」です。こうなるともう最大10倍近くの費用差が発生してしまいます。

「院内処方の方が患者様にとって安い」というのは明らかですね。

上記は「調剤」に焦点を当てた比較なので、調剤関連について細かく記載してありますが、実はこれら以外にも「決定的に違う点」があります。それは「医療機関での処方料(処方箋料)」です。薬というのは本来、医師が処方箋を書き、それに従って調剤がなされるというものなので、処方料(処方箋料)というものが発生します。

■院内処方医療機関での処方料 420円(多種類になると減額措置あり)

■院外処方医療機関での処方箋料 680円(多種類になると減額措置あり)

このように処方料(処方箋料)だけとってみても、院内(420円)に比べ院外(680円)は「260円」高いのです。

話をまとめますと、薬が処方される過程では「医療機関での処方→調剤」という流れがあり、「院内処方医療機関での処方料(安い)→院内調剤料(安い)」に対し「院外処方医療機関での処方(高い)→院外調剤料(高い)」という二重に高い構造となっているわけです。

最後にもう1ネタ。実は「調剤料」と一口に言っても、院内調剤と院外調剤では大きく違います。簡単に言いますと、「院内調剤では量に関係なく一定」、「院外調剤では量が増えると費用もUP」です。

■院内調剤
・内服薬調剤料 90円(頓服薬含む)
・外用薬調剤料 60円

■院外調剤
・内服薬調剤料 処方日数に応じて350円〜700円〜800円〜890円と変動
・頓服薬調剤料 210円
・外用薬調剤料 1種類100円、2種類200円、3種類以上300円
・計量混合調剤加算(軟膏) 800円

院内調剤では種類・日数に関係なく内服薬は一律90円(頓服薬も含まれる)、外用薬も種類・混合にかかわらず一律60円の調剤料です。

院外調剤では内服薬が多種類・長期間となるとどんどん高くなり、頓服薬が加わればさらに210円の調剤料が加わります。外用薬も種類に応じて最高300円(院内の5倍です!)、ステロイド剤+保湿剤といったような混合薬が加わればさらに800円の調剤料が加わります(院内では混合しても費用がかかりません)。

当院に通い慣れた患者様が「院外処方の皮膚科クリニック・調剤薬局」で同じ内容のお薬を貰ったとしたら、あまりの高額さに驚かれると思います。

また院内処方は費用面もさることながら、以下のような優れたメリットも多数あります。

■わざわざ院外の調剤薬局に行く必要がない
(雨、風が強い悪天候の際や、足の不自由な方にとって、医療機関一カ所で診療から薬の受け取りまで完了するのは利便性が高いと思われます)

■処方された薬剤に関して質問が出た場合、速やかに処方した担当医のコメントを聞くことができる
(会計窓口で「あっ、そういえば」と薬に関して質問される方は結構いらっしゃいます。調剤薬局の窓口で思い出した場合、医師への確認は「医療機関に戻る」か「調剤薬局を通じて問い合わせる」ため時間がかかります。当院であればカルテを見て答えられる内容であればスタッフがお答えしますし、複雑な問題であれば医師に再度確認することも可能です)

■薬剤の変更を希望した場合、速やかに実施できる
(調剤薬局の窓口で希望した場合は「医療機関へ変更依頼→調剤薬局での変更」となり時間がかかりますし、場合によっては医療機関に再度足を運ばなくてはなりません。一方、当院ではクリニック内において速やかに対応可能です)

四街道市内の医療機関はほとんどが院外処方となり、院内処方を行っている医療機関は数えるほどしかなくなってしまいました。

しかし「患者様にとって経済的なメリットが大きく、利便性が高い院内処方」を当院は今後も続けて行きます!

【注意事項】
上記資料は記事作成日時点での保険点数です。保険点数は今後の診療報酬改定によって変動する可能性があります。



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