成功への5つのポイント
3.上手な説明の聞き方
次は、医療機関で医療レーザー治療に関する説明を受ける際の「チェックポイント」をお話しましょう!
その1…「病名の確認」
「老人性色素斑(茶色いシミ)」や「太田母斑(青黒いアザ)」の他にも、レーザー治療が有効な病気はたくさんあります。
しかしここで確認しておかなければならないのは、「肝斑(かんぱん)の可能性は無いのか?」という点です。
「肝斑」とは、主に三十〜五十才代の女性の、両側の頬に出てくる、薄茶色のシミです。これは、妊娠を契機として出たり、ホルモンバランスの異常や、紫外線を浴びるといったことが原因で出ると考えられています。
明らかに「肝斑」であれば、通常レーザー治療は受けられません。レーザー照射がかえって病状を悪化させることが分かっているからです。
ただ実際には、「老人性色素斑だと思うが、肝斑の可能性も完全には否定できない」という患者さんに、レーザー治療を行うこともあります。もしも自分が、病名についてこのような説明を受けた場合は、レーザー治療後の注意事項について、しっかりと聞いておく必要があります。
その2…「いつ頃レーザー治療の効果が現れてくるのか?」
レーザー治療の効果が目に見える時期は、病気によって全く異なります。この説明が無いまま治療を開始すると、医師と患者さんとの間に誤解が生じてしまいます。
すなわち、医師は「最初の何回かは、あまり効果が目に見えなくても当然」と思っている病気であったとしても、患者さんにとってみれば「全然効いている気がしない!」という不満につながってしまうからです。
医療行為は信頼関係が無ければ成り立たないことを、熟知している医師であれば、この点はしっかりと説明してくれるはずです。事前によく確認しておきましょう。
その3…「自分の病気に対するレーザー治療の有効率は?」
これもまた、病気によって様々ですので、一概には言えません。
しかし医師の方では、「この病気でのレーザー治療の有効率は、おおよそ○○%」と把握していますので、ここはしっかりと確認しておきましょう。
レーザー治療は「魔法の消しゴム」では無い事を、患者さん自身も知っておかなければなりません。
また医師の方でも、「レーザー治療に対する過度の期待を抱かせて、レーザー治療を受けさせる」ということは、あってはならない事です。
その4…「傷痕が残る可能性があるか?」
「Q-スイッチ付きレーザー機器」を使用している医療機関であれば、「傷が残る(=瘢痕を残す)ことはほとんどない」という説明を受けると思います。
しかし、レーザー機器の種類を聞いても、ハッキリと教えてもらえない場合は、「瘢痕ができる可能性はありますか?」と聞いてみて下さい。
その答えを聞けば、その医療機関で治療を受けるべきかどうかは、すぐに分かるはずです。納得がいくまで説明を求めましょう!
医療機関において難しい説明を受けると頭が混乱して、うまく質問できなくなります。上記4点を紙に書いて持参し、これだけは聞き逃さないように工夫ましょう!
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