アナウンスBlog

4歳児の先天性ホクロへ冷凍療法は可能ですか?



患者様よりお問い合わせを頂きました。

初めまして。静岡県在住の者です。4歳の息子のほくろについて相談させていただきたいです。

生後5ヶ月くらいに顔にほくろができ、その後、半年に一つくらいのペースで増えてきております。顔面右側ばかりに4つほどあります。ほくろの存在が気になるのか、これ取れる?と聞かれることもあります。

先天性のほくろの項目を読ませて頂きましたが、我が家の場合は対象になるものか教えて頂きたいです。

お忙しいところ申し訳ありませんが、ご返答お願いします。

当院からの返信です。

〇〇様

お問い合わせありがとうございます。
松島皮膚科医院の松島弘典です。

ご質問の「4歳児の先天性ホクロに対する冷凍療法の適否」について回答いたします。

当院で行っている「先天性ホクロへの液体窒素による冷凍療法」は「1歳未満での治療開始」を推奨しております(あくまでも推奨であって、小型なケースでは1歳3ヶ月程度で治療開始した例もあります)。

「1歳未満での治療開始を推奨」の理由ですが、それには「再生力の良さ」と「安静保持の可否」が関係してきます。

本治療は4〜5回を目安として行うのですが、保険診療の関係上、治療は3ヶ月に1回となります。無麻酔で行える治療とはいえ、患児は暴れて抵抗するため、大人数名による安静保持が必須となります。この安静保持が可能となるのは、本治療に限らず「3歳未満」が目安となります。3歳を越えると力が強くなり、治療に必要な安静を保つことが難しくなるからです。

「治療回数が4〜5回」、「治療頻度が3ヶ月に1回」、「治療限度が3歳未満」という条件を加味すると、「1歳未満での治療開始」が現実的だということはご理解いただけるかと存じます。

現在4歳になるご子息様のホクロ治療(顔面)につきましては、前述の理由より冷凍療法ではなく「炭酸ガスレーザーによる除去」、もしくは「手術による除去」が選択肢になると考えられます。いずれの治療におきましても、完全な静止状態が求められますので、その対処方法に関して一般的な目安をお伝えします。

■0歳〜10歳未満:全身麻酔
■10歳以上:局所麻酔(治療部位へ注射による麻酔薬注入)

10歳以上の場合、患児自身が治療の必要性を認識できるようになると局所麻酔が可能となります。別の言い方をしますと「恐怖心よりも理性が上回った状態になれば局所麻酔が可能」ということです。

炭酸ガスレーザー治療や手術を視野に入れつつ、受け入れ可能な医療機関を受診し、主治医の先生と「治療方法や時期」についてご相談されてみてはいかがでしょうか。

今回はお役に立てず申し訳ございませんでした。

回答は以上となります。
どうぞよろしくお願いします。



関連記事


ページ上部へ戻る