脂漏性皮膚炎

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 顔面や頭部に繰り返し発疹を生じやすい皮膚炎(湿疹)です。腋下、胸部、背部、陰部などに生じることもあります。病気の発生機序はやや複雑で、根本的には「マラセチア」という真菌(カビ)の一種が原因と考えられています。マラセチアは全ての人間の毛包内に、常在菌として少数存在しています。少数であれば問題ないのですが、過労、ストレス、乾燥、皮脂分泌の更新などによってマラセチアが異常に増殖すると、毛包を中心として炎症を生じ、脂漏性皮膚炎として認識されるようになります。

 脂漏性皮膚炎は他の皮膚炎と比べても繰り返しやすい特徴があります。繰り返すと言っても、1年に2?3回程度であれば、その都度ステロイド外用剤にて治療すれば問題ありません。脂漏性皮膚炎のうちの「皮膚炎」の部分だけに対処すればいいのです。

 しかし、より頻繁に再発する方の場合は、再発予防として「異常増殖したマラセチアのコントロール」も必要となってきます。具体的には「ニゾラールクリーム」、「ニゾラールローション」という抗真菌剤を併用します。ニゾラールによって再発を抑制できれば、日常生活でも支障を来さなくなりますし、年間のステロイド外用剤の使用量も減らすことができ一石二鳥です。しかし予防薬であるニゾラールはステロイド外用剤と違って効果を実感しにくいため、残念なことに途中で止めてしまう方もいます。ニゾラールは長期的に使用しても大きな副作用のない安全な薬なので、医師から指示された試用期間はしっかり外用し、きちんと効果判定することをお勧めします。

COLUMN:ニゾラールローション継続のための一工夫

ニゾラールローションは脂漏性皮膚炎の再発予防薬として大変効果のある薬です。しかしローションを毎日頭全体に外用するというのは、結構な労力が必要です。

 そこで当院ではニゾラールローションをご自宅のシャンプーに混ぜて頂き、毎日シャンプーしながら自然と薬の効果が出る方法をお勧めしています。ニゾラールローションを発売している製薬メーカーが、市販されている様々なシャンプーとニゾラールローションを混ぜる実験を行った結果、特にどのシャンプーとも問題なく混ざったとのことです。ちなみに外国にはニゾラールの主成分である「ケトコナゾール」が含まれているシャンプーが市販されています。

 「ニゾラールローションとシャンプーの最適な割合」については診察時にお話ししています。

ニゾラールローション

ニゾラールローション

ローションタイプの抗真菌剤です。主に頭部に使用します。

ニゾラールクリーム

ニゾラールクリーム

クリームタイプの抗真菌剤です。顔面、躯幹などに使用します。

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